伸び縮みする生理的時間、意識と時間
生理的時間の速さは、単位体積(体重)当たりのエネルギー消費量に比例する。
死んだら、エネルギー消費ゼロになるから、その人の生理的時間は止まる。
生きているとエネルギーを消費するから、消費量の大小に応じて、時間の経過を感じることができる。生きている限り、エネルギー消費をゼロにはできないから、生理的時間は経過していく。
「エネルギー消費=生理的時間」だから、エネルギーを消費すると、腹が減る。もし、回りに、時の経過を告げるものが、なにもないとしたら、お腹が減ることで、時間の経過を知ることになる。
つまり、飢餓感を感じる頻度が、生理的時間?小動物ほど、しょっちゅう食事しているし。
冬になると、活動をほぼ停止する蟻の生理的時間は、ほぼ止まっている。
お腹が減ると、獲物を探し、活動は活発になり、生理的時間は速く流れ、お腹がいっぱいになると、眠くなり、活動は低下し、生理的時間は遅くなる。同じ個体でも、生理的時間が速くなる時、遅くなる時がある?生理的時間は伸び縮みする?
捕食者に攻撃され、逃げる時は、活動は最大になり、生理的時間の速さは最大になる。殺されれば、生理的時間は止まる。生き延びて、一休みできれば、通常の生理的時間に戻る。野生動物は、生理的時間を伸び縮みさせないと生き残ることができない過酷な環境。現代人の私には、実感できないし、実感したくはありませんが。
同じ個体で生理的時間が伸び縮みするとすれば、意識は生理的時間に影響を及ぼすことが出来ているのかもしれない。退屈な授業は長く感じるし、楽しい飲み会は短く感じる。
たぶん、生理的時間は同じ個体、年齢であっても、伸び縮みする。生命の危機のような緊急事態では、時間の流れは速くなる。
現代人は、生命の危機という状況に遭遇することは、あまり無くなりましたが、スポーツしている時は、これに、ちょっとだけ、近い状態なのかも。川上哲治が、ボールが止まって見えたというのは、その時、脳のある領域(視覚と視覚を処理する領域?)が、フル回転して、生理的時間が、瞬間的に、ものすごく速くなっていたからかも。捕食者に襲われた時の野生動物は、時間が止まったように見えているのでしょうか?
「寿命が縮む思いがした」というのは比喩ではない。その時、捕食される側の生理的時間は思いっきり、速くなるから寿命はいくらか縮む。捕食されれば、死、生理的時間は停止してしまいますから、それどころじゃありません。
この記事を書いた人
梅本
代表取締役高知高専、岡山大学工学部、NTT、不動産会社勤務後、2001年に会社を設立しました。